刺身の上にタンポポを乗せる仕事をしていた自分がWEBディレクターになった経緯とこれから

イメージ 日記

新卒の時、刺身の上にタンポポをのせる仕事をしていた。正確に言うと、それが仕事の一部だった。

大学卒業後、某魚屋に勤めていた。関東・中部地方を中心に店舗を展開していて、本店は池袋の老舗デパートの地下にあった(当時)。今は潰れていてもうないが、業界的にはそれなりに名の知れた会社のようだった。

なぜそこに就職したかというと、就職先がなかったから。これといった学歴も無ければ資格も無い、大学で何をするわけでもなく、なんとなく入学してなんとなく卒業した。

すぐに店舗に配属され、包丁を持った。持ち場も任され、サバやらイワシやらアジやらを切って売った。
寿司屋の修行で魚に触れるのは数年後みたいな話を聞くが、捌くだけなら未経験者でも2ヶ月もあれば一通りできるようになる。三枚下ろし、切り身に、干物用の開きとか。1年半くらい居たがマグロも捌けるようになった(50cmくらいのちっちゃいやつだけど)。自分が特別すごいとかではなく、みんなそうだった。

刺身の盛り合わせを作るようになると、タイトルの通り刺身の上にタンポポを載せた。載せる前と載せた後では見栄えに数段の差があったので、びっくりしたのを覚えている。これだけのことで、こんなにも美味そうに見えるのかと。自分で作ったものをお客さんが手にとって買っていくのは面白かった。先輩が作った刺盛よりも自分の方が売れていった時は素直に嬉しかった。それなりに自由に楽しくやっていたのだと思う。

でも仕事は好きではなかった。他の先輩よりも手が遅い分、誰よりも早く出社して迷惑をかけないようにした。周りから見るとやる気があったように見えるんだろうけど、ただただ怒られるのが嫌だったからであって、やる気があったわけでは無い。
特に好きな事もなくただなんとなく大学を卒業して、なんとなく就職して働いている自分が嫌いだった。大卒で魚屋をしている自分が恥ずかしかった。そしてそう思っている自分が大嫌いだった。

そんな時たまたま見つけたのが、[ WEBデザイナー養成講座 ] だった。そんな職業があるのを知らなかったが、なんとなくカッコイイと思って申し込んだ。特にやりたい事もなかったし、仕事の休みが平日で通えそうだったし。
週2回3ヶ月の講座。Adobeも知らなかったがPhotoshop、illustrator、Dreamweaver、Flash を一通り勉強した。今にして思えば本当にさわりだけだったので、なかなかひどい知識だったと思うが、何を思ったかこの道で転職しようと思った。

何社か受けて東京のWEB制作会社に入社できた。PCの事も何も知らない、HDとメモリの区別もつかなかったし、HTMLのtrとtdの区別もつかなかった。時代もあるけど、よく入社できたなと思う。
それからは、デザインもやったしコーディングもやった。FLASHもやって一時期はFlasher も目指したけど、挫折した。そしてWEBディレクターという肩書きになった。誰もが知る大企業や省庁の仕事もした。徹夜・終電・休日出勤の日々もあったが、今となっては良い経験になったと思う。もう、したく無いけど。
うつ病にもなって、5年ものあいだ、会社に行っては休み、行っては休みを繰り返した。当然のごとくクビになりそうになったけど、どうにかこうにか乗り切って、2年前に寛解した。

先日、最初に勤めた魚屋をググってみたら、破産していた。最高売上が 95億くらいあって、それが自分が辞めてから3年後くらいの話だから、12年くらいで破産したことになる。今の職種・会社も数年後にはどうなってるかわからないと実感した。

もう41歳。完全に若手ではなく中位の立場になった。今の若い子らはスキル的にもメンタル的にも優秀な人が多くて、自分が今の時代にいきていたらとてもじゃないが、この業界ではやっていけていない。運が良かったと思う。将来的な不安や会社に対する不満もちゃんともした意見を持っていて、偉いなと思う。
できるだけ説教臭くならないように自分の経験と知識を伝えていきたいと思う。何かしら役に立つことはあると思うから。

若い子と話をする時にほぼ必ず言っている事がある。
「他の会社に行っても通用するスキルをつけるようにしなさいね」
この会社でしか役に立たないようなスキルは、つける必要が無いと思っているから。
もちろん目先のお金を稼ぐために、会社特有の業務は必ずあると思うんだけど、その業務に追われて 未来への投資 = スキルアップ ができなくなるのはありえない。会社が把握してなくても現場の担当者がやらせている事は全然あるから注意しないといけない。自分の数字をあげるために新人・部下を利用している人はいる。無意識的にそうなっている場合もある。

自分も人を使う立場になってきた。管理職には興味は無いんだけど、そういった類のことをしなくてはいけなくなってきた。
やりたく無いけど、あまりおろそかにすると若い子たちの迷惑になるので、裏でしれっと動く・・・みたいな事をやっている。

会社とは、
『できるだけ多くの金を、できるだけ長い間、できるだけ労力をかけずに稼ぐ』事を目的に
『徒党を組んで、お金儲けをして、山分けする場所』であると考えている。

よく『人間としての成長』『社会人としての自覚』『協調性』『コミュニケーション能力』とかをお題目のようにいう人がいるんだけど、全部クソだ。それを言ってればそれっぽい事を言っているように聞こえるが、中身はカラッポ。なんか言っているようで何も言っていない。
それはあくまで『お金を稼ぐための手段のうちのひとつ』であって、目的ではない。それを一つもできなくても、『できるだけ多くの金を、できるだけ長い間、できるだけ労力をかけずに稼ぐ』ことができれば問題無い。
色々意味わからない事を言われる事もあると思うけど、「はーい」といいつつ心の中で「うるせぇな。バーカバーカ」と言ってればいい。それだけでだいぶ心が楽になるよ。

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